昨日、兵庫県立美術館に、ジョルジョ・モランディ展を見に行ってきました。
ジョルジョ・モランディは、生涯ひたすら静物画を描き続けた画家です。
1890年イタリア、ボローニャ生まれのこの画家は、生涯、静物と花と風景しか描かなかったと言われています。

おもしろかったのは、モランディは、モチーフの静物に積もった埃を払わなかったそうです。
モチーフを動かす時も、埃が落ちないように、そっと動かしました。
少しくすんだ、埃まみれの質感を好みました。

モランディの静物画は、それぞれのモチーフが、生き生きとしている感じがしました。
輪郭線が揺らいでいて、僕には、静物が呼吸をしているように見えました。

モランディの絵は、ただ並べて描いているのではなく、そこに並べられるのが、静物にとって使命であるような、必然性を感じました。
静物がそこに置かれていることには、大切な意味がある、そんな印象を受けました。

モランディは、その眼差しが独特だと感じました。
モランディは、うまく描こうとか、モチーフの通り描こうとは思っていなかったと思います。
もっと大きなもの(存在意義とか、精神や世界の本質等)を見抜こうとしていたように感じます
この展覧会を見て、そういったモランディの視点になって、世界を見たような気がしました。
とても良い、展覧会でした。