今日は、私の今開催中の展覧会、「ワインの時間」のテーマについて書いてみたいと思います。

この展覧会の企画は、「ワインの魅力ってなんだろう?」という疑問から始まりました。

そのことを考えていた時、アメリカのイラストレーター、バーニーフュークスを思い出しました。

彼以前のイラストレーターは、車のイラストを描く時、車の外観しか描きませんでした。色はどんなか、形はどうかのみを表現したのです。
しかし、フュークスは、車を中心に、家族旅行に行ったり、野球をしに行く人々の様子も描いたのです。
人を描くことで、その車を買った後にどんなに素敵な生活が始まるかを表現しました。

フュークスは、車の魅力は、そのかっこいい外観でも、綺麗な色でもなく、それによってもたらされる、楽しくて快適な生活にあると言いたかったのだと思います。

私は、この展示の企画を考える中で、ワインの魅力も、その香りや色や味にあるのではなく、それを飲む幸福な時間にあると思いました。
そこで、「ワインのある、ちょっと良い時間」をテーマにしました。
フュークスに習って、ワインのビジュアルのみを表現するのではなく、それを飲んでいる、幸福な人々を描こうと思いました。

この展覧会には、幸福な酔っ払いがいろいろと登場します。
展示を通して、ワインの魅力を再発見していただければ、こんなに嬉しいことはありません。

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