来月、大阪で開催されるカラーパーティウエスト(以下カラパ)というグループ展に参加します。

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今、作品を制作中なのですが、出展作品について考えている事の途中経過を書き残しておきたいと思います。
どんな事を思いながら作品を作っているか、どんな過程を辿って作品ができていくかを知ってもらえたら幸いです。

今年のカラパのテーマカラーはオレンジです。
本当は、去年の秋開催される予定でしたが、コロナウイルスの影響で今年の春の開催となりました。

どんな作品にするか、アイデアを練る中で、去年から今年にかけてを象徴する作品を作りたいと思う様になりました。
そうなると、やっぱりコロナウイルスは外せないと思いました。

数年前、弟の家に遊びに行った時、弟の行きつけのたこ焼き屋さんに連れて行ってもらいました。
すごく気のいい大将と美味しいたこ焼きが気に入り、大阪に行った時はよく立ち寄る様になりました。
コロナの影響で、大変だと思うのですが、いつも笑顔で出迎えてくれて、元気をもらっています。
そのたこ焼き屋さんが「多幸や」と言います。

私の住む京都には、蛸薬師通という通りがあります。
この通りの名前は蛸薬師堂(永福寺)と言うお寺から来ています。

昔、このお寺のお坊さんが病気の母親のために、母の大好物のタコを戒律を破って買ってきました。
そのタコがお寺の池に飛び込んだ所、光を放ち、母親の病気をたちまち癒したそうです。
このエピソードから蛸薬師堂の名前が付けられたそうです。

この多幸やと蛸薬師の話から、モチーフをタコにしようと思いました。
蛸薬師のエピソードの様に、タコが禍を絡めとり、日本中に多幸が訪れる様、願いを込めて制作しようと思っています。

作品のタイトルは「多幸(たこ)」。
ハトメ抜きを使った切り絵の技法(孔画)を使って、P40号の大きいサイズで制作する予定です。
孔画で制作する作品の中では、過去最大です。

展覧会が半年伸びた事、コロナウイルスの影響で色々な事を考えた事から、今年のカラパは例年以上に濃いものになる気がしています。

私たちも、感染症対策は万全にいたします。
カラパにお越しいただき、作家の渾身の作品をご覧いただければ幸いです。
また、「多幸」がどんな作品になるか見届けていただければ幸いです。