今、鮭の絵本を描いています。
おにぎりや焼きザケなどで食卓によく上がる、あのサケの絵本です。

元々、サケが好きだったのですが、武田邦彦先生の「随想 サケの心」と言うブログを読んで、サケがさらに好きになりました。

「随想 サケの心」武田邦彦 (中部大学)
http://takedanet.com/archives/1013798999.html

「サケの一生を自分なりに多くの人に伝えたい」と思い、絵本を描き始めました

絵本のために、日本の代表的な鮭である、シロザケについて勉強している所です。
今日は、そんな僕の勉強中のシロザケの習性を書いてみたいともいます。

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■インデックス
・回遊
・遡上
・産卵
・感想

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・回遊

シロザケは、川で生まれ、海で育ち、また川に上って産卵します。

海では、4年かけて育ちます。
海に出たての頃は体長10cmくらい(小指の長さくらい)です。それが、4年経って産卵のために川に戻る頃には、体長65cmにもなります。(体長:頭の先〜尾の先の長さ)

上の図の通り、
秋〜冬:北海道、東北で産卵した後、海を回遊します。

1歳魚(秋):千島列島
1歳魚(冬):北太平洋
2-4歳魚(夏):ベーリング海
2-4歳魚(秋):アラスカ海

そして、4年が経つ頃、自分の生まれた川に戻っていくのです。

・遡上(そじょう)

日本では、秋〜冬に北海道、東北沿岸でシロザケが川を上ります。
これを、「遡上(そじょう)」と言います。

シロザケは太陽の位置と体内時計で自分の位置と川の方角を知ると考えられています。
また、日本近くの海に来てからは、匂いで自分の川を嗅ぎ分けると言われています。
ただし、なぜシロザケが川に戻って、遡上するかは、未だに謎のままです。

シロザケは海の海水に慣れた体から、淡水に適応できる体にするため、河口付近でしばらく過ごし、体を淡水に慣れさせます。

この時、シロザケの体に変化が生まれます。
まず、体に婚姻色(こんいんしょく)という赤黒い模様が現れます。
また、サケのオスは鼻の先が「鼻曲がり」という独特の形になります。
これは、川を上って卵が産める体になった証です。

卵が産める体になったシロザケは川上を目指します。
この旅は、流れを遡る上に、数十kmにおよぶ事もあります。

川に入ったシロザケは餌を食べません。
また、自分の川を間違えれば、やり直す事はできません。
まさに、チャンスは1度です。

また、途中には滝や浅瀬があったり、クマやキツネなどの天敵も待っています。
まさに、命がけの川上りなのです。

・産卵

産卵は、川の上流に産卵床(さんらんしょう)という巣を作って行います。
直径1m×深さ30〜50cmくらいの大きさで、川底の石を尾びれをホウキの様にはいて作ります。
この巣作りは、基本的にメスだけで行います。
オスはメスに寄り添って応援したり、他のオスが来るのを見張っています。
産卵では、二匹とも口を大きく開け、力んで産卵します。
産卵後、メスは砂利で卵を埋めます。

シロザケのつがいは1回に1000粒くらいの卵を、場所を変えながら3カ所ほど産卵します。

産卵床を3つも作ったメスの体は傷だらけです。

メスは、最後に産卵した産卵床に残って、巣を守ります。
他のメスが産卵床を掘り返す事があるからです。

そして、役目を終えたシロザケは、やがて死んでいきます。

アイヌでは、卵を産み終えたサケをホッチャレと呼びます。卵を産み終えたサケの身は白くて 全然美味しくないのです。
これは、サケが遡上と産卵で体の中の栄養を使い切ったからです。
この事からも、遡上の過酷さが分かります。

でも、ホッチャレはカラスやキツネには貴重な栄養です。
まさに、この季節だけの「海からの贈り物」です。

感想

このシロザケの一生を知った時、僕はリレーみたいだと思いました。
この卵も、やがて卵からかえり、川を下り、海で育ち、また川に戻って産卵します。

親が必死で繋いでくれたバトンを持って、必死に生きて、次の世代にそのバトンを繋ぎます。

多分サケにとって、命のバトンを繋げる事が、自分の生きる事より大切なのだと思います。
シロザケについて調べれば調べる程、そう思えなりません。

シロザケの一生から、大切な事を学んだ気がします。

それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございまいた。