最近、「進化しすぎた脳」という本を読みました。
池谷裕二さんの書かれた脳化学の本です。
読むきっかけは、ミラーニューロンに興味を持ったからです。

ミラーニューロンは、日本語で鏡神経と言います。
例えば、僕がアイスクリームを食べている人を見たとします。
すると、僕の脳でもアイスクリームを食べる手や口を動かす神経が反応します。
つまり、鏡のように自分もアイスクリームを食べている時活動する脳神経が活動するのです。
それを、ミラーニューロンというそうです。

僕は、この話を読んで自分がやっている美術ととても関係があるように思いました。
ムンクの叫びを見て、絶望感や悲壮感を感じるのは、この神経の仕業かも知れないと思ったのです。
優れた作品を見て、綺麗とか上手い以上に心に直に訴えてくるような強烈な衝撃を感じるのは、ミラーニューロンの仕業だと思いました。
つまり、画家が、絵を通して鑑賞者と感動を共有することができるのは、この神経のおかげなのです。

美術が追求してきた「感動の共有」を、脳化学が理論的に可能であると裏付けてくれたように思い、
脳化学と美術は、かけ離れた別分野でなく、互いにコミットしていたと気づきました。

この本は、美術に対して多くの示唆があったので、シリーズでいくつかブログに掲載したいと思います。