カラパの在廊中、時間があったので、本を読んでいました。

池谷裕二さんの「記憶力を強くする」という本です。
池谷さんは、脳科学の第一人者です。

この本は、記憶術にとどまらず、脳の仕組みを詳しく書いてありました。

例えば、こんなことです。

その本によれば、アルツハイマー病は、脳内のアセチルコリンという物質が少なくなるために、痴呆をきたす病気です。
だから、アセチルコリンの働きを強めるという、アルツハイマーの薬があるそうです。

でも、健常者がアセチルコリンの働きを増強すれば、記憶が良くなるかというとそうではありません。
アセチルコリンの働きを増強する薬(毒)で有名なのは、サリンです。
サリンが体内に入ると、思い出そうとしていないのに、日夜湧き上がるそうです。

逆に、アセチルコリンの働きを弱める薬は、風邪薬や酔い止め、下痢止めなどです。

これを読んで、つくづく薬と毒は表裏一体であると思いました。
アセチルコリンが少なすぎてもダメ。多すぎてもダメ。

この本を読んで、人間の体が、精緻で巧妙で、そして絶妙なバランスのメカニズムでできていることを知りました。
改めて、人間ってすごいなぁと思いました。