昨日(2016.10.10)京都高島屋の星野道夫さんの写真展、「星野道夫の旅」に行ってきました。

もともと、僕の両親が星野さんのファンで、小さい頃から写真集を見たり、本を読んだりしていました。でも、展覧会という形で作品を見るのは、初めてでした。

展覧会に行く前は、「星野さんは、なぜアラスカを撮ったのだろう?」「身を危険にさらしてまで、星野さんは、なぜアラスカで生活したのか?」と、色々と疑問に思っていました。
でも、写真展を見て、その答えが少しわかったような気がしました。

現代人は、人間関係で悩んでいたり、仕事や勉強に励んだり、またそれに人生の大部分の時間を奪われたり、金銭的に潤ったり、困ったりします。
そんな、現代社会の様相やしがらみとは全く切り離されたアラスカの自然や星野さんの生き方が、とても新鮮でした。

僕は、社会は進歩してきたと思っていました。
でも、自然と共に生きてきた原始の時代から、失ってきたものも多いのかな、と思いました。
大自然の途方も無い美しさに感動したり、動物と同じ場所で生きたり、自然と共に生活することが、実はとても豊かなことなのかもしれないと思いました。
そんな、原始的な豊かさをアラスカは持っていて、そこに、星野さんは惹かれたのかもしれません。

星野さんの写真を見ていると、星野さんがアラスカで感じた感動が、そのまま留められているように感じました。
1つ1つの写真に、感動がまずあって、その一瞬の感動を捉えたくて、シャッターを切っている、そんな印象を受けました。
作品を見ていると、星野さんの目を通してアラスカの大自然を見て、そして同じように感動しているような、不思議な気持ちになりました。

星野さんの作品の背景には、アラスカの厳しい自然の中で生きる生き方と、アラスカに対する愛情のある眼差し、そして、瞬間瞬間の美しい自然に対する感動があるのだと思います。
だから、多くの人を感動させるのだと思います。

とても良い展覧会でした。

僕のアラスカ