下の作品は僕のオリジナルの孔画という技法をつかって制作しています。
色紙にハトメ抜きで孔を開け、その穴の開いた紙を何枚か重ねて絵を描く技法です。ハトメの孔を使った点描であり、切り絵でもある技法です。
今回は、孔画の作り方を簡単に紹介します。

<道具>
レザー用ハトメ抜き、レザー用ゴム板、下絵、クリップ、色紙

<手順>

①下絵を描く

②色紙を用意して、下絵と穴の開けたい色紙を重ねてクリップで止める

③レザークラフト用のハトメ抜きで下絵ごと穴を開けていく

④②③を繰り返して、穴の開いた紙を重ねて完成

僕は、立体作品に、彫刻と彫塑という削る技法と付け足す技法があるように、イラストにも「足し算」の技法と「引き算」の技法があると思っています。
足し算の技法とは描くことや貼ることなどです。そして、引き算の技法は消すことや削ることや穴を開けることなどです。

絵を描くというと、描くことや貼る技法を思い浮かべる人が多いと思いますが、僕は引き算の技法も同じくらい魅力的な技法だと感じています。それは、消すことも、描くことと同様にイメージを表出する行為だからです。

孔画は引き算の技法です。僕の作品を通して、少しでも引き算の技法の魅力を感じていただければ、これ以上嬉しいことはありません。

タツノオトシゴ

上の絵では、1番上に青い紙があり次に白い紙があり、1番下に黄色の紙があります。
青い紙だけ孔を開ければ、白が見え、青・白の2つに孔を開けると黄色が見えます。
黄色の紙は1番下なので孔は開けません。