artstudio pulpのホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
このブログでは、私の活動や作品の紹介、そして美術や動物・植物の豆知識などをアップしています。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

今夏、多根病院様の広報誌「VOICE」の表紙イラストを担当させていただきました。

僕は、おすすめアート様の「病院にアートを飾る」活動に参加しています。
この活動は、多根病院様の各階の待合室などの壁に、アートストが作品を展示する活動です。
今はコロナでお休みしていますが、年に3回展示替えをします。

その参加アーティストが順番にVOICEの表紙を描いています。
そういう経緯で、僕にも順番が回ってきました。

このページでは、VOICEに寄稿させてもらった作品の説明を主にして、それに捕捉を加えて書いていこうと思います。

  • Q1.イラストのテーマ

    夏号なので、夏の南極をテーマに選びました。モチーフの動物はジェンツーペンギン、キョクアジサシ、カニクイアザラシです。ジェンツーペンギンは、18種類いるペンギンの中で最も好奇心旺盛で活発なペンギンと言われています。後ろにそびえるのは、南極大陸の最高峰ヴィンソン・マシフです。南極を旅しているようなイラストにしたいと思いながら制作しました。

発想は単純で、 夏→涼しげ→南極! で、南極のイラストに決めました。

また、涼しげな南極のイラストなので、青と白の配色にしようと思いました。
アイスの「爽」のパッケージのような配色の、爽やかなイラストを目指しました。

イグルーになった病院にペンギンが並んでいる様子を描きました。
できるだけ、楽しいイラストにしたいと思い、明るいイラストにしました。

  • Q2.苦労した点

    私はこれまで、アナログで制作してきました。しかし、今回は複雑な構図を選んだので、パソコンも使って制作しました。ペンギンや山、氷山の大きさを不自然にならないように調整したり、色の補正で全体の色を調整していったりという作業が難しかったです。しかし、パソコンを使うと表現の幅が広がることを学びました。

技法は、得意の孔画です。
今回は複雑なイラストにしたかったので、アナログでパーツを作って、それをPCで切り貼りして作りました。

今までは、1枚物で作っていたので、シンプルな作品が多かったのですが、今回の制作を通じて、PCで合成する事で、複雑な孔画が作れる事を知りました。

また、複雑な孔画が描けるだけでなく、色の微調整ができる事に気づきました。
紙の色を調整して、欲しい色にする事もできるし、作品全体の色を調整する事もできます。

複雑な図案も描けるし、色も好きなだけ調整できる。
反面、何度でも修正ができるので、「おわり」を決めるのも難しかったです。
全部アナログで描くより、時間がかかったかもしれません。

  • Q3.読者にメッセージ

    私は、イラストは心の世界を覗く覗き窓だと思っています。制作中、私の心の中にはペンギンが泳ぎ、ヴィンソン・マシフがそびえます。そんな私の世界を楽しんでいただけたなら、これ以上嬉しい事はありません。

イラストを描いていると、現実は同じ所にずっといて、紙を見つめて作業しているだけなのに、旅をしている感覚になる事があります。
頭の中で、何度も何度もペンギンが泳ぎ、ヴィンソン・マシフを眺め、キョクアジサシが飛び立ちます。
南極に行った事のないのに、僕の頭の中に「南極」が次第に鮮明になっていきます。

制作をしていると、自分の中の世界を鮮明にする事が目的なような気がします。
うまく描くこと、人に喜んでもらうことより、自分の中に世界を作って、心の領域を広げることに夢中になっていることが多々あります。

今回の作品も、夢中で描きました。
僕が描きながら、この作品の世界を旅したように、見てくれた人も旅気分を味わっていただけたら、幸いです。

最後に

僕は、自分ひとりで制作して、完成品を売る事が多いのですが、今回のようにデザイナーやディレクターがいるお仕事もする事があります。
そういう時の方が、色々な発見があったり、より高いクオリティーを求められたりして、良い作品ができる事が多いように感じます。

今回はまさにそうで、自分だけではこの作品はできなかったと思います。
関係者の皆様、ありがとうございましたm(_ _)m

自分にも、孔画にも、まだまだ伸びしろがある事が分かりました。

これからも、がんばります!

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

このブログでは、私の専門であるイラストの事や画材のこと、本や映画の紹介、モチーフとしてよく描いている動物や植物の事などを書いています。

ほぼ毎週新しい記事をアップしているので、チェックしていただけるとありがたいです。

それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。