美術の面白い特徴として、子供や障害者が作ったものが、時として大人や健常者の作ったものより面白い事があると思います。

僕は、これが不思議でした。
小説や音楽はあまりない特徴かも知れません。

何年か前、友達と一緒に幼児の作品展に行った事がありました。
美術館で名作と呼ばれる作品を鑑賞するのとは違う面白さがあって、とても感動しながら見ていました。

幼稚園児、保育園児の作品はどれも面白かったのですが、年長、小学生と年齢が上がるにつれて、僕の感じた魅力がだんだん弱くなっていっていたように感じました。
あくまでも僕の意見ですが、お利口さんの絵になっていくように感じました。

その理由の1つは「褒められよう」と思ってしまうからかも知れません。
褒められようと思うと、「自分の描きたい絵を描きたいように描く」という動機の純粋さがなくなっていくと思います。

幼児や障害者の作品が、人に訴えかける力があるのは、自分の描きたい絵を夢中になって描くからだと思います。
そういった、絵を描く動機の純粋さはむしろ、子供、障害者の方が高いのかも知れません。

ピカソが、「子供は皆芸術家である。問題は、いかに芸術家でいられるかだ。」と言っています。
絵を描くという事は、大人になるにつれて付いてきた固定観念やら小手先のテクニックといった邪魔者を1つづつ取り除く作業なのかも知れません。